家族介護でかなり労力を伴うと思われるのが、「お風呂」。
いわゆる入浴介助です。
特に高齢のご夫婦二人暮らしでの介護となると、体の大きいご主人を奥様が介助するというのはかなり至難の業といえるでしょう。
訪問入浴サービスは、そんな自宅でのお風呂に関する悩みを持つ方々にとって、役に立つサービスとなりえます。
訪問入浴サービスのメリット①古い家のお風呂でも入浴可能
訪問入浴サービスの最大の利点といえば、今まで困難だった自宅のお風呂での入浴が可能になるという点でしょう。
特に何十年と経った住宅であれば、お風呂の浴室や脱衣所が古いままで、介護するにはかなり厳しい環境であることが予想されます。
そのため、自宅での入浴が困難となり、お風呂に入ること自体を諦めてしまっている方もいるかもしれません。
訪問入浴サービスでは、お部屋の中に浴槽や機材を持ち込み、スペースがあればベッドのすぐ脇で入浴することができます。
居室であれば暖房設備が整っているところも多く、あたたかいままお風呂に入ることが可能になります。冬に寒い脱衣所へ行って、着替えている間に血圧が高くなり体調を崩すなどといった心配も少なくなるでしょう。
訪問入浴サービスのメリット②看護師同行なので安心
訪問入浴サービスの次の利点は、看護師が同行することです。
事業所により介助員の数は異なりますが、訪問入浴サービスには看護師が同行することが求められています。
そのため入浴前にバイタルを測ったり、ここ最近の状態の確認、既往歴等を知ることでお風呂に入っても問題がないか医療的に判断してくれます。
入浴中も傍で介助しながら見守ってくれますし、入浴後もバイタル測定して体調に変化がないか確認してくれます。
奥様一人で介助するより、安心感が違います。
入浴できる場所ですが、浴槽を設置するためにある程度のスペースが必要となります。
浴槽の大きさは概ね畳一畳分ですが、その周りで介助員が介助するので、その分のスペースを用意する必要があります。
しかしながら、自宅のお風呂に入れない方が何とか気持ちよく入浴してもらえないかと、事業所もあれこれ知恵を絞って考えてくれるので、これは無理だろうという環境であっても入れることもあります。
エレベーターのない団地の5階であっても来てくれる事業所があります。
ですから、部屋が狭いから無理だと諦めてしまうのではなく、まず相談してみることをお勧めします。
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訪問入浴サービスのメリット③片付けが必要ない?
訪問入浴サービスを利用することのもう一つのメリットは、準備や後片付けが楽になるという点です。
家族が自分たちで入浴介助する場合、どうやって介助しようか確認し、お風呂に入るための準備を行います。
そしてお風呂までの移動の介助。入浴中はずっと付き添う必要があるでしょう。
また浴室は湯を使うため足元が滑りやすく、転倒などの事故を起こしやすい場所ともいえるでしょう。
サービスを利用すればそういった心配も少なくなり、3人程度の介助員がついてくれますし、準備から後片付けまで手早く行ってくれるため、高齢の奥様であっても労力は少なくすることができます。
いつも自宅の介助で体が疲れているようであれば、こういった機会に少し体を休めることもできるでしょう。
訪問入浴サービスを利用してお風呂に入ることの効果は?
訪問入浴サービスでお風呂に入ることの効果ですが、体や皮膚状態を清潔に保つことができるという点です。
長い間入浴できないと、皮脂汚れや匂いなどが体につき不衛生となります。
その結果、病気になることもありますので、入浴を行うことで身体を清潔に保つは大切な視点となります。
もう一つは入浴することで、気分の爽快感が得られるということです。
体を清潔に保つ方法として、清拭も考えられます。しかし清拭は温かい布で体を拭くだけなので、爽快感としては今一つかもしれません。
浴槽に浸かり、ゆったりとした気分で入浴することで体が温まり、「気持ちいいなぁ」と感じることができるかもしれません。
肌への影響を考慮して看護師に相談するなどした上で、時にはお気に入りの入浴剤を湯船に入れることも良いかもしれません。
冬至にはゆず湯にすることも季節感を味わう楽しみが得られるでしょう。
事業所によっては、独自でそういった入浴を楽しんでもらえるような工夫をしているところもありますので、相談してみるのも良いでしょう。
訪問入浴サービスとデイサービスの違い
デイサービスでもお風呂に入ることはできますが、中にはそのような場に行って入浴することに抵抗を感じている方もいるかもしれません。
脳梗塞で片麻痺になった自分の姿を大勢に見られることは苦痛だという気持の方もいるでしょう。
自宅という慣れ親しんだ環境で、傍に家族もいる中でお風呂に入ることができるということは、そういった心配も少なくなるでしょう。
知らない男性に肌を見られたくないという女性もいるかもしれません。
そのような場合、女性職員のみで介助してくれる事業所もありますので、一度相談してみてはいかがでしょう。
湯船に浸かることでシャワーだけでは得られない爽快感や気持ちよさが得られます。
また自宅という環境で入浴できるという安心感は、またお風呂に入ってみようかなと思うきっかけになるかもしれません。
介助が大変だからとか、浴室まで行くのが面倒だからといった理由で入浴に消極的だった方は、一度サービスを使うことで自分でも入浴できるんだという気持を味わってはいかがでしょう。
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