老人ホームとは高齢者を対象とした入居施設であり、その料金体系は、制度の位置づけによって大きく変わってきます。
高額という印象を受ける介護施設が存在することも事実ですが、必ずしもそういうわけではありません。
特別養護老人ホームは高額ではない?
まず、料金的に比較的安価で入居でき、看取りまで対応することのできる施設として特別養護老人ホームと呼ばれるものがあります。
俗に言う特養であり、介護保険制度の施設系サービスに位置付けられます。
料金が比較的安い理由として、施設の収入にあたる施設利用料の他に、介護保険の請求によって、介護報酬を得ることができるため、利用者からは1割、あるいは2割のサービス費と食費、居住費などの請求のみで済むのです。
利用者負担額が少なくて済む理由がそこにあります。
しかし、特養を運営できる社会福祉法人などは設立の制限もあり、国も、社会保障費用を大きく負担できなくなっている為、次々と立てることが難しいです。
当然特養は待機者が増え、施設が足りない状況が発生します。
老人ホームに高額なイメージがある理由
今後注目されるのは有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅などの施設です。
これは社会福祉法人に限らず、民間の株式会社や有限会社でも設立が可能なため、介護事業の参入が注目されているものです。
今やコンビニよりも多い介護事業所といわれていますが、その理由が「有料」や「サ高住」になるのです。
こちらは介護保険外サービスに対する報酬は全額自己負担となり、デイサービスやホームヘルプサービスを除く施設内のサービスが自費となります。
サービス内容としては特養と大きな違いはなく、日常生活の支援が中心となります。
サービス内容や設備によって金額が事業所ごとに大きく異なる為、安い有料は安く、高い有料は高額な老人ホームと化していくのです。
特別養護老人ホームと有料老人ホームの料金相場
特養では約5万~15万円が相場となっていますが、有料では10万~となっており、これに加え、別途介護保険サービスを利用したりすると料金が発生します。
一昔前までは、囲い込みといって、有料の併設事業所の介護保険サービスを支給限度額ぎりぎり詰め込み、追加報酬を狙う悪質な事業所もありました。
このように特養と有料では、制度の立ち位置の違いから、料金の発生根拠が異なります。
「介護」にかかるサービスを介護保険内で行うのか、自費で行うのかが料金の差になります。
地域によっても大きく異なり、物価が高い地域や、土地代が高い地域ではより料金設定が高くなるようです。