介護は、とても重労働であり、特に女性や高齢者が介護に携わるのは大変な苦労が伴います。
そこで近年、注目さているのが、ロボットの活用です。
日本は、ロボット大国で、すでに自動車などの分野では産業用のロボットの導入が進んでいますが、近年、人間をサポートするロボットの開発も各企業が積極的に進めています。
私たちの周りには、人間の生活をサポートできるような様々なロボットが現れ始めました。
老人ホームの介護に役立つロボット「食事介護ロボット」
まず、食事の介護をですが、例えば、食事を支援するロボットで「マイスプーン」があります。
もともと、手に障害があり自分で食事ができない人のためにセコムが日本で初めて発売しました。
ロボットを利用する人が自分で食事をすることをサポートするロボットです。
ロボットのアームが動いて、食卓の上にある食べ物を口に運びます。クレーンゲームのようなイメージです。
メリットは、初めての人でも親しみがもて、好きな時に、自分のペースで食事をすることができることです。
具体的に色んな食べ物を食べることができますが、一口サイズに切って盛り付けると、固形物から柔らかいものまで食べることができる優れものです。
粘り気があるものでもスプーンで押し固めたり、切り取ったり、つかんだりして、慣れてくるといろいろバリエーションが広がります。
飲み物は、コップのスタンドがあり、ストローで飲みます。
チューブがついていて、位置は自由に調整できます。食事介護を受けている人の中で、飲み込みが正常にできることが使用する大切な条件になります。
また、頭を自由に動かすことができ、また、機器を操作ができることが必要です。
準備や後片付けを簡単にできるようになっています。食卓に簡単に設置できるよう小さく、また軽量で、準備は、専用のお皿に一口サイズの食べ物を入れ、スプーンとフォークをセットして、スイッチを入れると準備完了で、とてもユーザーに配慮している仕様になっています。
あとは利用者本人が操作します。スプーン・フォークは、通常の食器と同様に洗うことができ、また、簡単に機器に着けることができます。
また、スプーンが食べ物を口に差し出す位置は、操作によって記憶させることができるのがすごいです。
スプーンの位置は、前もって設定した位置で停止します。また、仮に人の手などが触れて、スプーンのセンサーが検知すると、動作を停止しますので、安心して利用できます。
病院、福祉施設などに幅広く利用されています。自分で食事ができること、また、家族と一緒に楽しみながら食事ができるのがメリットです。
老人ホームの介護に役立つロボット「アザラシ型メンタルロボット」
食事は、一人では寂しいという人もいると思います。
そこで、癒しを求める人には、人に癒しを与えるタイプのロボットを活用する方法もあります。
それは、アザラシ型のメンタルロボットの「パロ」です。
全体にセンサーが組み込まれており、驚くべきことに、このパロは、ペット代わりとして大きな心の支えとなって、例えば、自閉症の子どもの笑顔や会話が増えたといった効果も見られました。
見た目はアザラシのこどもで、とても愛らしいので、ついなでたり、声をかけたりすると、目をつむったり、泣いたり様々な反応を示します。
このように人に楽しみや安らぎを与える優れもののロボットで、実際にアルツハイマーや認知症の患者に脳機能の変化について調べたところ、パロとふれあったあとに脳機能の状態が健常レベルにまで改善したりする効果がありました。
老人ホームの介護に役立つロボット「入浴をサポートロボット」
次に入浴をサポートするのは、非常に重労働で、介護者の足腰などへの負担も計り知れないものがあります。
そこで、人の体に装着して、筋力をサポートすることにより、作業の負担を減らすロボット「パワードスーツ」が開発されています。
特に、日本の大手メーカーでパナソニックやホンダなどが介護対策向けなどの開発を積極的に進めています。
高齢化が進み、家族や介護者の負担を軽減してくれるパワードスーツへの期待がますます高まっています。
例えば、稼働時間は2時間以上あり、荷物を運ぶ際に腰の負担を約10キログラム以上も軽減できたりします。
普通の女性でも、10キログラムのお米を軽々と負担なく持ち上げたり、運んだりできます。
一部、物流の現場などで活用されていますが、今後は、介護や農業向けに用途が拡大していくことが期待されています。
このスーツの仕組みは、人間は、体を動かそうとすると、脳から神経を通って、筋肉に電気信号が送られます。その信号の一部が皮膚の表面に漏れるそうで、これをセンサーでキャッチして、信号に応じた筋肉の動きをモーターを使ってサポートします。
老人ホームの介護に役立つロボットのまとめ
このように、私たちの周りの生活をサポートするロボットが次々と開発され、実用化されています。
すでに福祉の現場に導入されて一定の評価を得ているものもあります。
昭和初期の時代は洗濯が極めて主婦の重労働でしたが、洗濯機が開発され、主婦を重労働から解放しました。
今後、ロボットが介護の現場で重労働を軽減していく時代がすぐそこまでやってきています。